前回の記事では、競馬と距離感を保つために
「観察者として、自分の反応に気づくこと」が重要であるとお伝えしました。
実際に、自分の感情や判断に気づけるようになると、
これまでとは違った見え方がしてくるはずです。
しかしここで、多くの人が次の壁にぶつかります。
「気づいているのに、やってしまう」
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
この「気づいているのにやってしまう」という問題に対しては、
すでにいくつかの記事で具体的な対処法も紹介しています。
ただ今回は、その前提として、
なぜ、自分は行動できないのか
という構造の部分に焦点を当てていきます。
「つい」やってしまうのは、意志ではなく構造の問題
分かっているはずなのに、
- つい賭けてしまう
- ルールを破ってしまう
- 冷静ではない判断をしてしまう
こうした経験はないでしょうか。
もしあるとすれば、それは意志の問題ではありません。
多くの場合、
「自分の意志が弱いからだ」
と考えてしまいがちです。
しかし、これは少し違います。
人は、“分かっていても動けない”ようにできているのです。
判断コスト
人は何か行動を起こすとき、
無意識のうちに
「考える負担」を感じています。
この負担が大きいほど、
分かっていても、その行動を選べなくなるのです。
つまり、人は「やる気がない」のではなく、「決めきれない」だけなのです。
判断コストの中身(分解)
判断コストは、主に次の3つに分けられます。
① 何をすればいいか分からない
👉 行動が曖昧
② いつやるか分からない
👉 タイミングが決まっていない
③ どれくらいやるか分からない
👉 負担の大きさが不明
この3つが揃うと、人は動けなくなります。
目標を立てるときにロードマップが必要になるのも、このためです。
観察との関係(前回のおさらい)
ここで重要なのは、
気づき(観察)は、この問題を“解決しない”ということです。
気づきによって、
- 自分の状態は分かる
- 感情にも気づける
しかし、「じゃあどうするか」は別問題 です。
観察は「気づくためのもの」であり、「変えるためのもの」ではありません。
そのため、ここで止まると、
「分かっているのにやってしまう」
という、非常に苦しい状態になります。
解決策:行動を事前に決めておく
ではどうすればよいのか。
答えはとてもシンプルです。
行動を“事前に決めておく”
これによって、
- 何をするか
- いつやるか
- どれくらいやるか
がすべて解消されます。
判断コストがほぼゼロになる のです。
実践
まずはこれだけで構いません。
👉 「気づいたら○○する」を1つ決めてください。シンプルであることが重要です。
実際の具体的なルールの作り方や、
感情が強く動いたときの止め方については、
こちらで詳しく解説しています。少しずつ、参考にしてみてください。
👉競馬で勝つための必須項目③感情を前提にした「現実的なルール構築」
👉競馬で勝つための必須項目③-2 感情が暴走したときの具体的な止め方― ルールは「守るもの」ではなく「発動するもの」
まとめ
気づきは重要です。
気づきは“選択肢を取り戻す行為”となり、自由度が増える大きな一歩だからです。
しかし、気づくだけでは現実は変わりません。
気づきは“変えられる状態に入ること”。
しかし、 実際に変えるのは、その後の行動だからです。
この2つは分けて考える必要があります。
「問題は発見した時点で半分解決したようなもの」という表現の、「半分」がここです。
そして、あとの「半分」、行動をするための有効な手段が、
気づいた時の“次の一手”を決めておく
という事です。
人は、判断コストが高いと動けないからです。
「分かっているのにできない」という状態は、
ダメな人間だから、ではなく、自然なことなのです。
あらかじめ行動を決めておくこと
これによって初めて、
気づきが「結果を変える力」になります。
今回の内容は、
「なぜ行動できないのか」
という構造の理解です。
そして、
「ではどうするか」
については、既に紹介しているルール設計の記事が役立ちます。
もし、
「そもそも気づくこと自体が難しい」
と感じる場合は、
前回の記事(観察者)も参考にしてみてください。
